2025.06.23
床の防音リフォーム|マンションの防音対策や種類・防音・遮音等級を紹介します
階下への生活音が気になる人へ。マンションで効果的な床防音リフォームの方法や遮音等級の選び方を解説し、静かな住環境をサポートします。
マンションでの生活音、特に足音や物音が階下に響かないか気になっていませんか?
本記事では、効果的な床の防音リフォーム方法や遮音等級について詳しく解説します。
防音フローリングの選び方や、実際に行われている施工方法、そして簡易的な防音対策まで、さまざまな視点でお伝えします。
これを読めば、ご自宅にぴったりな防音対策が見つかり、快適で静かな空間が手に入るでしょう。
目次
マンションのリフォームで防音対策は必要?
マンションにお住まいの人にとって、床の防音対策は快適な生活環境を保つために重要なリフォームのひとつです。
床の経年劣化や傷、日焼けによる見た目の改善目的でリフォームを検討するケースは多くありますが、共同住宅で特に問題になるのは生活音や衝撃音が階下に響くことです。
階下への騒音で他の住人に迷惑をかけないようにするためにも、床の防音リフォームは必要とされています。
また、防音リフォームをすることで、自宅での生活音を気にせずリラックスできる空間を手に入れられるでしょう。
リフォームを検討する基準は
マンションでの生活は、隣や上下階に他の住人がいるため、防音対策が重要です。
特に、自分の床が階下の住人にとっては天井にあたるため、生活音が下の階に響きやすいという問題が生じます。
ドアの開閉音や物を落とす音は振動によって音が伝わるため、床や壁を通じて周辺にも響く可能性があります。
例えば、小さな子どもがいる家庭では、走り回る音や物を落とす音などが騒音の原因となり、マンション内の他の住民との関係に影響を与える可能性があります。
マンションでは音に関するトラブルが起きやすいため、周囲の住人への配慮として床の防音リフォームを検討することが望ましいでしょう。
床の防音対策を行うことで、騒音トラブルを防ぎ、快適で安心な住環境を整えられます。
マンションの防音規定とは
マンションでは、隣人や特に階下の住人に配慮するため、
防音規定が管理規約で定められていることが多くあります。 リフォームの際には、防音規定に沿った床材を選ぶことが求められます。
一般的に、遮音等級は「L-45」や「L-40」などの基準が用いられていますが、具体的な遮音等級については、下記の「遮音等級」の項目で詳しく説明します。
また、カーペットや畳は防音性が高く、規定の対象外とされることが多いため、フローリングなどに比べて防音対策が簡単です。
フローリングを使用する場合は、下地材などで防音規定に適した遮音性能を確保する必要があります。
防音と遮音はどう違う?

「防音」と「遮音」は似た言葉ですが、意味に違いがあります。
防音とは、外の音が室内に入らないようにしたり、室内の音が外に漏れないようにしたりする全体的な対策を指します。
しかし、防音という言葉自体は具体的な方法を示すものではありません。
一方で、遮音は防音の具体的な方法のひとつで、主に躯体を伝って空気を震わす音を反射して外への音漏れを防ぐことを指します。
遮音は比較的簡単に実施でき、生活音や軽い衝撃音を軽減するために広く用いられる手法です。
そのため、日常生活における防音対策としては、遮音の技術が頻繁に利用されています。
床材の違いと防音性能について解説
リフォームにおいて、床材選びは防音性能に大きな影響を与えます。
床材にはフローリング、カーペット、クッションフロアなどさまざまな種類があり、それぞれ防音性能や快適さが違います。
たとえば、カーペットは足音などの生活音を吸収しやすく、騒音対策に優れていますが、フローリングは遮音対策が必要になることが多いです。
本項では、各床材の防音性能と、各床材に応じた防音対策のポイントについて詳しく解説します。
クッションフロア
クッションフロア(CF)は、耐水性と費用対効果の高さから賃貸物件や水回りのリフォームで広く選ばれています。
塩ビ素材でできたシート状の床材で、2mm程度の厚さと1,820mmの幅が一般的です。
水を弾き染み込みにくいため、洗面所やトイレ、キッチンといった水回りに適しており、防臭機能を持つ製品も存在します。
木目調や石目調など、さまざまなデザインから選べる点も魅力です。
防音性能については、フローリングに比べて衝撃音を吸収しやすいため、足音が響きにくい利点がありますが、表面が柔らかく、重い家具を置くと跡がつきやすいという弱点もあります。
衝撃音を吸収しやすいため、生活音の軽減を求める場所での使用には適した選択肢と言えるでしょう。
フロアタイル
フロアタイルは、耐久性のある塩ビ素材でできており、クッションフロアよりも傷やへこみに強いという特徴があります。
傷やへこみに強いため、フローリングの張り替えが高額になる場合の代替として、既存の床に重ね貼りするリフォームでよく選ばれています。
木目調や石目調など、さまざまなデザインがあり、コストを抑えつつ高級感を出すことが可能です。
防音性能に関しては、他の素材と比較してやや低めですが、厚みが少ないため玄関やキッチンなどで使用されることが多くなっています。
防音効果が必要な場合は、フロアタイルの下に遮音シートなどを敷くと良いでしょう。
タイルカーペット
タイルカーペットは、オフィスやホテルの廊下でよく見かける床材で、住宅リフォームでも防音性やデザイン性を求める際に選ばれることが多いです。
45cm角や60cm角の正方形タイルを敷き詰めて施工するため、必要な部分だけを交換できるというメリットもあります。
高いクッション性が特徴で、転倒時の衝撃を吸収し、小さな子どもがいる家庭にも適しています。
防音性能についても優れており、足音や物を落とした際の音を吸収してくれるため、騒音対策としても有効です。
ただし、コーヒーなどの液体をこぼした場合は汚れがシミになりやすく、夏場は少し暑く感じることがデメリットとして挙げられます。
フローリング
フローリングには、無垢材と複合材の2種類があり、リフォームでの用途や特徴に応じて選ばれます。
無垢フローリングは、一本の木から切り出した天然木材を使用しており、自然な質感や風合いを楽しめるのが特徴です。
高級感があり、空気中の湿気を調整する特性があるため、見た目とともに質感を重視するリフォームに適しています。
ただし、防音性は低く、空間によっては生活音が響きやすい点にデメリットです。
一方、複合フローリングは、合板や集成材に木目調のシートを張った構造で、比較的手頃な価格と防音性能のバランスが取れています。
特に、集合住宅では防音等級「LL-45」など、規定の防音性能を満たす製品が多く、管理規約に合わせたリフォームにも適しています。
複合フローリングは均一な仕上がりが魅力で、管理規約で指定される防音対策が必要なマンション等で選ばれることが多いです。
遮音等級とは?
床防音のリフォームにおいて、遮音等級は非常に重要な指標です。
マンションなどの集合住宅では、階下への生活音や足音がトラブルの原因となることが多いため、管理規約で遮音性能に関する基準が設けられていることが一般的です。
床材や施工法を選ぶ際には、規約で決められている遮音等級を確認し、基準を満たした素材や工法を用いる必要があります。
本項では、床防音のリフォームをするうえで気を付けるべき遮音等級について詳しく解説していきます。
推定L等級とは
「推定L等級」は、マンションなど集合住宅での床防音を評価するための基準で、床を伝わる衝撃音の遮音性能を示す指標です。
「LL〇〇」の形式で表され、軽量衝撃音(LL)や重量衝撃音(LH)に分かれて評価されます。
例えば、LL-45のような表記では、45等級相当の軽量衝撃音を遮断できることを意味し、数値が小さいほど遮音性能が高いとされています。
「L値」はスラブを通して伝わる音を遮断する能力を表しており、「LL」は食器が落ちた時や椅子を引きずる音などの軽い音、「LH」は人が走り回る時の重い音が対象です。
推定L等級の数値は、実際の空間性能を推測したものであり、床材自体の遮音性能を直接示すものではありません。
遮音性能を直接示すものではないため、リフォーム時には設置環境に応じた等級を確認することが重要です。
ΔL等級とは
「ΔL等級(デルタ・エル等級)」は、床材自体の床衝撃音低減性能を示す基準で、具体的に床材がどれだけの衝撃音を抑えられるかを示す指標です。
ΔL等級は、製品単体での試験結果が表示されるため、推定L等級と異なり、空間性能ではなく製品自体の遮音性能が把握しやすくなっています。
ΔL等級の表記は「ΔLL(Ⅰ)-4」のように示され、数値が大きいほど遮音性能が高いということです。
また、表記中の「(Ⅰ)」や「(Ⅱ)」は床材のカテゴリーを表し、(Ⅰ)は直張りフローリングやカーペット、(Ⅱ)は乾式遮音二重床や畳を指します。
床材の種類によって音の伝わり方が異なるため、試験方法も異なるのです。
ΔL等級の導入により、規定に適した遮音性能を確保しやすくなっており、現在多くの製品がΔL等級と推定L等級を併記しています。
床防音リフォームの種類
マンションの床防音リフォームには、さまざまな工法があり、目的や状況に応じて適した方法が選ばれます。
代表的なものには、防音フローリングの直張り工法や、振動や衝撃を抑える二重床工法、カーペットなどを使った簡易的な方法があります。
上記の工法にはそれぞれ異なる防音効果や費用面でのメリット・デメリットがあり、どの程度の防音が必要かに応じてリフォーム方法を選ぶことが大切です。
本項では、それぞれの工法について詳しくご紹介します。
直張り工法
直張り工法は、マンションの床防音リフォームで一般的に採用される方法です。 直張り工法は、コンクリートスラブの上に直接、防音フローリングを張り付けるもので、工事費用が安価で、二重床工法と比較して厚みが増さないためスペースを取らないのが特徴です。
防音フローリングの裏面には、3〜4mmの遮音材が貼られており、遮音材により「コツコツ」という軽量床衝撃音(ΔLL)を効果的に低減します。
しかし、「ドスンドスン」といった重量床衝撃音(ΔLH)には効果が期待できないため、用途や環境に応じた選択が重要です。
直張り工法は、短い工期で施工可能ですが、歩行時にふわふわと沈むような感覚が生じることもあるため、事前にショールームで体験しておくと良いでしょう。
二重床工法
二重床工法は、マンションや集合住宅での防音リフォームで高い防音効果を求める際に採用される工法です。
二重床工法では、コンクリートスラブの上に防音性の高い二重床システムを設置し、その上にフローリングやカーペットなどの床材を貼り付けます。
防振ゴムや制振材を用いることで、床とスラブの間に空間を作り、振動を効果的に吸収します。
二重床工法は、ΔLL-3やΔLH-2〜3の等級を持つ製品があり、軽量床衝撃音(例えば足音)と重量床衝撃音(物の落下音など)の両方の効果が期待できるでしょう。
また、二重床工法は適度なクッション性があり、自然な歩行感が得られる点も特徴です。
デメリットとしては、工事費用が高額で工期が長く、床の厚みが増すためにドアや巾木の調整などの追加工事が必要になることがあります。
防音カーペット・防音マット
防音カーペットや防音マットは、既存の床材の上に敷くだけで簡単に防音対策ができるため、賃貸物件や低コストで防音を改善したい場合に適しています。
防音カーペットや防音マットは施工が簡単で、工期が短く、費用も防音フローリングや二重床工法に比べて安価です。
防音カーペットや防音マットは、主に「コツコツ」という高周波の軽量衝撃音に対して効果を発揮します。
しかし、重量のある物が落ちたときの「ドスン」という低音や重量床衝撃音の低減効果はほとんどありません。
また、防音効果は防音フローリングなどの専用工法に比べて劣ることが多いため、軽度な防音対策として使用されることが一般的です。
タイルカーペット
タイルカーペットは、オフィスやホテルの廊下でよく見かける床材で、住宅リフォームでも防音性やデザイン性を求める際に選ばれることが多いです。
45cm角や60cm角の正方形タイルを敷き詰めて施工するため、必要な部分だけを交換できるというメリットもあります。
高いクッション性が特徴で、転倒時の衝撃を吸収し、小さな子どもがいる家庭にも適しています。
防音性能についても優れており、足音や物を落とした際の音を吸収してくれるため、騒音対策としても有効です。
ただし、コーヒーなどの液体をこぼした場合は汚れがシミになりやすく、夏場は少し暑く感じることがデメリットとして挙げられます。
まとめ
本記事では、マンションの床防音リフォームの種類と遮音等級について詳しく解説しました。
床防音リフォームには、防音フローリングの直張り工法、二重床工法、防音カーペットなどがあり、それぞれの遮音性能と適した場所について紹介しています。
特に重要なのは、「遮音等級」の理解と住環境に合った等級を選択することが快適に過ごすためには重要です。
遮音等級を確認することで、階下への音漏れを効果的に抑えるリフォームが可能になるでしょう。
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